ハクビシンはなつくの?ペットとして飼える?飼育方法や注意点を解説!

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地域によっては作物やゴミを荒らすなどの被害で害獣にも認定されているハクビシン。

しかしその見た目は、大きいけど愛らしく、おっとりした性格から「ペットとして飼ってみたい」と思われた人もいるはず。

しかし飼うとなると「なつくのか」「しつけられるのか」「飼育方法のマニュアルはあるのか」「そもそもハクビシンをどうやって手に入れるのか?」など、様々な疑問もわいてきますね。

 

 

今回は、ハクビシンはなつくのか、ペットとして飼えるかという疑問点について解説していきます!

 

 

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ハクビシンとはどんな動物?

まず、ハクビシンという動物について簡単に説明します。

ハクビシンは元来、中国南部や日本以外のアジア圏に広く分布するジャコウネコの仲間ですが、日本でも毛皮などの目的で持ち込まれたハクビシンが野生化し、ほぼ全域に生息していると言われています。

大きさは、体長(鼻先から尾の長さ)90~110センチメートル、尾長40~45センチメートル、体重3~4キログラム。

体重だけだとポメラニアンやトイプードルといった小型犬クラスですが、体長で見ると大型犬にも引けを取りません。

しっぽが体長の半分近くを占めていますが、立派な大型の動物と言えます。

飼うとしたら広いスペースが必要になるでしょう。

そして夜行性であることも忘れてはいけません。

人間の飼育下で習性が変わることもありますが、基本的に昼夜逆転の生活になることは覚えておきましょう。

性格は狂暴と言われることもありますが、筆者が過去にお世話したことのあるハクビシンはどの子も比較的おとなしく、おっとりしていました。

噛みつくこともありましたが、甘噛み程度。

ただ、ハクビシンの犬歯(牙)はネコのように鋭いので、甘噛みでもそれなりに痛かった記憶はあります。

それでも動物を飼ったことのある人なら、ごく普通に経験する程度の痛さではないでしょうか。

犬や猫などは、野良だけでなく人に飼われているペットでも危険を感じれば本気で噛みつきます。

ハクビシンは根っからの野生動物なのですから、生きていく上で必要であれば狂暴化するのは当然のことです。

以上の事から、本来の性格は狂暴とは言えないと考えます。

 

 

ハクビシンはなつくの?

上記のように、ハクビシンは大型ではあるものの、その性格はペットとして申し分ないように思えます。

筆者が過去にお世話していたハクビシンたちもとても穏やかで、赤ちゃんの頃からお世話していたこともあり、とてもよくなついていました。

樹上生活をする動物だからか、長い尻尾を筆者の腕に巻き付け、四肢を使ってしっかりとしがみついている姿は誰が見てもキュンとすること間違いなしです!

またハクビシンの食性は草食寄りの雑食で、好物はマンゴー、バナナ、ブドウ、モモなどの甘い果物、それ以外にも人間が食べる食事やキャットフードなども好んで食べるので、餌に困ることはまずないと思われます。

実際、筆者がお世話していたハクビシンにはすりおろしたリンゴに子猫用のミルクと離乳食、歯が生えるとカリカリのキャットフードを与えていました。

このことから、ハクビシンは「子どもの頃から飼えばなつく」と言えます。

じゃあ飼えるんじゃない?

という結論になってしまうのですが、そう簡単には話が進まないのです…。

 

 

ハクビシンの飼育方法と注意点

ハクビシンに限らす、いざ「動物を飼う!」と家族全員で、寿命を迎えるその日まで責任をもつ覚悟を決めた時、まずやらなければならない事があります。

動物を迎え入れるのはそれらの準備ができてからです。

以下、ハクビシンを迎える前提でお話していきます。

 

ハクビシンについてしっかり学ぶ

当たり前すぎて、個々に書いてよいものか迷いましたが、元ペットショップ店長として言いたいことがありすぎる飼い主さんが多くいたことも事実なので敢えて書きます。

先に書いたハクビシンの大きさや特徴、性格、食べ物などから、注意点としてなつくのか、しつけは可能か、特有の病気や人畜共通感染症の危険性はないか、寿命はどれくらい?といった事など、ハクビシンの隅々まで調べつくしましょう!

ちなみに、本来野生動物であるハクビシンをしつけるのは至難の業です。

赤ちゃんの頃から育てればそれなりになつきますが、大きくなり我が出てくると野生本来の気性が現れないとも限りません。

また、樹上生活をする動物は基本的にトイレのしつけができないことも覚えておきましょう。

 

飼育スペースの確保

次に必要なのが飼育スペースの確保です。

樹上生活をするハクビシン。

となると、面積だけでなく高さも必要になってきます。

室内飼いの場合、ほぼ部屋の全域を飼育スペースにすることになるでしょう。

そして、ハクビシンが登れる木(柱?)も必要になります。

大きめで高さのあるキャットタワーなどで代用できるかもしれませんね。

ただし、室内飼いにした場合ハクビシンが活動するスペース全域の床がトイレと化します。

外飼いなら大丈夫なのでしょうか?

昔の番犬のように、リードにつないで飼う事はできません。

頑丈なオリを用意し、その中に木登り用の木材を設置しないといけません。

そして、室内・室外ともに「脱走できないよう細心の注意を払う」ことも重要です。

ハクビシンは高いところはもちろん、狭い隙間も通り抜けられます。

一度脱走してしまうと捕まえるのはとても難しく、捕まえたとしても脱走癖がついてまた逃げてしまう可能性は大いに考えられます。

外来種が増えてしまい、在来種の生態系が崩れてしまう原因の一つですね。

 

近隣の動物病院の受け入れ体制の確認

近年、珍しい動物がペットとして飼われるようになり、動物病院の受け入れ体制も変わってきているかもしれませんが、近隣で見かける動物病院はあくまでもペットとして飼われている小動物を対象とした病院です。

ペットではないハクビシンを診てくれる病院はほぼないでしょう。

しかもハクビシンの寿命は野生で約10年。

飼育下だと15年以上、中には24、5年生きたケースもあります。

10年以上もの間、一度も病院に連れて行かない飼い方が出来るでしょうか?

どんどんハードルが上がっていきますね。

 

ペット用具の入手方法

餌については先ほど述べた通り、特に困ることはないと思われます。

ペットショップに「ハクビシンフード」はありませんが、他のもので十分代用できます。

餌入れやお手入れ用のブラシ、ペットシーツなども簡単に買えるので問題ないでしょう。

しかしケージに関しては、ペットショップで売っているものでの飼育は難しいでしょう。

狭すぎてストレスを与えてしまうと、気が立って噛みつくなどのトラブルが起きるかもしれません。

 

動物の入手方法

これが最大の難関です。

ペットショップでは購入できません。

なぜなら、ハクビシンは鳥獣保護法により、飼育も駆除も、保護さえも出来ない動物に指定されているからです。

どうしても捕まえたい場合、まず自治体の許可&狩猟の許可をとらないといけません。

違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金などが科せられます。

ペットショップでは海外にしか生息していない動物も売っていますが、これらのほとんどは海外から輸入されています。

しかしハクビシンは感染症の病原体を媒介するおそれのある動物という理由で、厚生労働省から「輸入禁止動物」に指定されています。

こちらも違反すると3年以下の懲役または300万円以下の罰金などが科せられます。

 

 

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ハクビシンはなつくの?ペットとして飼える?飼育方法や注意点を解説!【まとめ】

なつくとは言え「ハクビシンを飼う」ことが、いかに難しいか…というより、無理であるという事がおわかりいただけたでしょうか。

その昔「エキゾチックアニマル」が流行しはじめ、それまでの犬や猫などと共に様々な動物が、まるで動物園さながらに店頭に並んでいた時期がありました。

しかし大した知識を持たないまま売買された結果、捨てられたり、脱走させてしまったり、虐待したりと、当時も問題になりました。

動物を飼うということの責任感と、常に新しい知識を手に入れ、生き物と正しく向き合いたいですね。