ハクビシンって飼うことはできるの?特徴や注意点を解説!

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見た目は少し大きな小動物(?)、つぶらな瞳にピンクのお鼻、長い尻尾に短い脚、思わずモフモフしたくなる毛並み…。

赤ちゃんの頃から正しく飼えば人にも馴れますが、ペットショップなどでの販売は原則として禁止されており、ハクビシンを飼うには多くのハードルを乗り越え、最期まで責任をもって管理するという相当の覚悟が必要です。

 

 

この記事では、ハクビシンとはどういう生き物なのか、何がダメなのかといった事から、昔のペットショップでは売られていた!なんて驚愕の事実までお話しちゃいます。

ぜひ最後までお付き合いください。

質問!「それでもあなたはハクビシンを飼いたいですか?」

 

 

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そもそも「ハクビシン」て何?

ハクビシン。

漢字で書くと「白鼻芯」。

その名前が示す通り、額から鼻先にかけて見られる白い筋模様が特徴。

日本に唯一生息するジャコウネコの仲間です。

ちなみにジャコウネコ、名前にネコとありますがネコではありません。

昔はお尻にある臭腺から出る分泌液が香料に使われていたり、今では「コピ・ルアク」という高級コーヒー豆の生産にとんでもない方法で一役買っていたりしますが、それはまた別の機会に。

短足胴長で体重は約3~6kgと軽めですが、頭胴長(鼻先から尻尾の付け根までの長さ)と尾長(尻尾の長さ)がどちらも60cm前後と、尻尾が長いのも特徴の一つ。

鼻先から尻尾の先までだと120cmほどになるので、結構大きいですね。

毛色は灰褐色から黒褐色と地味なのに対し、顔は前述の白い鼻筋や顔の輪郭、目の下にも白い模様があるためとても派手です。

主に中国大陸の南部、マレーシアや東南アジア、台湾、そして日本に生息しています。

どうやら外来種のようなのですが、いつ頃どうやって日本に来たのかなど詳しい事はわかっていません。

森林地帯で生活しているので木登りが得意。

木の幹をしっかりつかむ鋭い爪を持っています。

主にイチジク、マンゴー、バナナ、カキ、ミカンなどの果実や種子を食べていますが、昆虫や小動物を食べることもあるようです。

また、人里におりて果物畑を荒らすことも多く、日本でも害獣と認定されれば駆除は可能ですが、鳥獣保護法に基づく都道府県知事などの許可が必要で、独断での駆除は認められていません。

ちなみに、よく似た生態系の動物にアライグマがいます。

毛色や模様などもよく似ていますが、アライグマはどちらかというとタヌキっぽく、ハクビシンはネコっぽいイメージだといえばわかりやすいでしょうか。

そしてハクビシンは鳥獣保護法で守られているのに対し、アライグマは特定外来生物に指定されているので駆除対象となっています…。

 

 

ハクビシンは危険なの!?

「SARS」をご存じでしょうか。

2003年に大流行したコロナウイルスの一種で、通称「SARSウイルス」と呼ばれています。

当時、ハクビシンがSARSウイルスを持っているのではないかと疑われた時期があり、中国での流通が禁止されました。

ところがその後の研究により、真犯人はキクガシラコウモリというコウモリの一種であることが判明、ハクビシンの疑いは晴れました。

しかし他の野生生物同様、何らかの病原菌を媒介する可能性が消えたわけではなく、むやみに近づいたり触ったりすることは危険であることに変わりありません。

 

 

ハクビシンって飼うことはできる?

いよいよ本題の「ハクビシンはペットとして飼えるのか?」という事ですが、結論から言うと「限りなく不可能」です。

絶対に飼えないわけではなく、許可をもらえれば飼う事はできるようです。

ただ、ペットショップでの販売は現在では認められておらず、また狩猟も認められた人しかできないという事で、ハクビシンの飼育適正以前に、一般人が購入する手段がありません。

ここまで書いて驚いたんですが、実はペットショップで販売されていた事実があることを、実は筆者自身が知っています。

20年以上前、筆者が勤めていたペットショップ(現在は閉業)に、問屋からハクビシンの赤ちゃんがやってきて、少しの間お世話していました。

顔の模様や長い尻尾など、特徴は大人のハクビシンと全く同じでしたが、大きさは子猫ほどでまだ歯も生えていなかったので子猫用フードや果物で離乳食を作って与えていました。

とにかく人懐こくて、とても可愛かったのを覚えています。

少し大きくなってからお客様に買われていきましたが、その後もフードやペットシーツなどの購入で来店される度に近況報告をしてくださるなど、とても大切に育てられていました。

どういう経緯でお店にハクビシンがやってきたのか詳細はわかりませんが、ハクビシンを販売したのは、後にも先にもこれ一度きりでした。

当時はいわゆる「エキゾチックアニマル」ブームで、様々な珍しい動物がペットショップで販売されていたので、ハクビシンが仕入れられた時も特に疑問を持ちませんでした。

しかし前述のSARS騒動による規制の影響で流通が途絶え、店頭販売が出来なくなったのではないかと考えています。

ともあれ筆者の記憶には「人懐こくて可愛いおっとりさん」のイメージしかありませんでした。

確かにハクビシンは凶暴というより臆病な性質なのですが、それ故に防衛本能から噛みついてしまうという事も少なくないようです。

また、犬や猫のようにしつけることも難しいと思われます。

特にトイレのしつけはできません。

理由はハクビシンが樹上生活、つまり木の上で暮らす動物のため、決まった場所で排泄するという習慣がないからです。

また糞尿の臭いも強いので、近隣トラブルにもなりかねません。

樹上生活をするという事は、ペットとして飼う場合もその環境を整えてあげないといけません。

相当な広さ・高さのケージを用意するか、家で放し飼いという事になりますが、トイレのしつけができないので大変なことになりそうです。

何より、たとえハクビシンを飼う事が出来たとしても、具合が悪くなった時に診てくれる獣医さんが近くにいるでしょうか?

雑食性で主に果物を食べることから、餌に困ることはないと思われますが、上記の事を踏まえるとやはり、家庭で飼うのは非常に難しいと思われます。

これはどんな生き物にも言える事ですが、飼い主としての責任を果たせない以上「生き物を飼う」という行為はするべきではありません。

 

 

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ハクビシンって飼うことはできるの?特徴や注意点を解説!【まとめ】

見た目も仕草も可愛らしいハクビシンですが、ペットとして家族の一員に迎えることは非常に難しい事がわかりました。

仮にそのチャンスが訪れたとしても、安易な気持ちで生き物を飼うのは無責任と言わざるを得ません。

どんな生き物?うちでも飼えるの?などといった興味を持つことは、とても大事なことだと思います。

ただこれ以上、飼育放棄や外来種を増やさないためにも、常に新しい知識を手に入れ、生き物と正しく向き合いたいですね。