豆まきの地域差とは?豆の種類・掛け声などの風習の違いを徹底解説
節分と言ったら、皆さんはどのようなことをするとイメージしますでしょうか。
おそらく関東の人間ならば、おおよそ、豆は炒った大豆をまき、掛け声は「鬼は外、福は内」と答えるのではないでしょうか。
ただし筆者の出身は東北なのですが、節分では大豆をまいたことがありません。
落花生をまいていました。
このように同じ節分の豆まきでも、地域によっていろいろな差があるようです。
そこで今回は節分の地域による差について解説します。
Contents
豆まきの地域差!まく豆の種類とその由来
一口に節分といっても豆まきには地域差があります。
節分の豆まきには大豆を使う地域と落花生を使う地域。
本項ではそれぞれなぜその豆を使うのかについてみていきたいと思います。
豆まきには大豆を使う地域
関東から西の地域(新潟、長野を除く)地域では節分では主に炒った大豆を使用します。
なぜでしょうか。
日本では、古くから米、麦、ひえ、あわ、大豆などの穀物には“穀霊”が宿ると考えられていました。
その中で大豆は最も粒が大きく、ほかの穀物よりも多くの精霊が宿るとされています。
そのため、鬼退治に最適とされていて、豆まきによく使われます。
また、豆には「魔の目に豆をぶつけ、魔を滅する」の語路合わせとしての意味もあります。
つまり豆(大豆)には縁起のいい意味がたくさんあるのです。
豆まきには落花生を使う地域
対して関東より北の地域(東北)および宮崎県、鹿児島県では節分の豆まきには落花生を用います。
東北より北は寒い雪国になります。
なぜこの地域では節分の豆まきに落花生を使うようになったのでしょうか。
まず、この地域でいつごろから落花生が使われるようになったかは正確にはわかっていません。
一説によると北海道では昭和30~40年ごろに落花生の生産拡大によって、節分の豆も落花生に替わってきたといわれています。
また、落花生を使うと、雪の中にまいた豆を拾うのが楽ですし、あとで食べることを考えても衛生的であるという利点があります。
このような理由から、寒い雪の降る時期に行われる北国の節分では豆まきに落花生を使うといわれています。
豆まきの掛け声の地域差とは?鬼を呼び込む地域もある!
節分というのは、諸説ありますが、新しい年(季節)を迎えるにあたって、人々の煩悩を鬼に見立てて追い払う行事であるとされています。
そしてこれはおおよその地域では考え方が一致していますので掛け声は「鬼は外、福は内」となります。
ただし中には鬼を祀る神社があったりして、鬼を必ずしも悪いものとして扱わない地域が存在します。
本項ではそんな一風変わった地域差がある、豆まきの掛け声をご紹介します。
「鬼は内、福は内」群馬県
群馬県藤岡市鬼石地域は、その名にちなんで鬼を招き入れる「鬼恋節分祭」が行われることで有名です。
全国で追い出された鬼を招き入れるという、鬼にやさしい珍しい行事です。
「あっちはあっち、こっちはこっち、鬼ケ窪の年越しだ」茨城県
茨城県つくば市鬼ケ窪、こちらも鬼の名がつく集落です。
あちこちで追い出された鬼を気の毒に思い、鬼を呼び寄せる意味のある掛け声です。
「鬼は内、福は内」紀伊半島
この独特の掛け声の理由は、昔、紀伊半島や伊勢志摩地域を治めていた領主が「九鬼」という名前だったので、「鬼」を追い出す掛け声とかけられなかったことからきているそうです。
「鬼は内、福は外」京都府福知山市
こちらも珍しい掛け声です。
福知山市にある大原神社の掛け声です。
これは「鬼は神社のうちに迎え入れて、改心して福になったものを地域の外に出す」という意味が込められているそうです。
節分に食べるものの地域差
今までは豆まきの豆や掛け声について地域差を見てきました。
本項では、地域によって異なる節分の日に食べるものをご紹介します。
関東地方 けんちん汁
関東では節分にけんちん汁を食べる風習があります。
これは寒い季節の行事の最中に体を温めるために食べていた名残とされています。
関西地方 ぜんざい
関西では節分にぜんざいを食べる風習があります。
ぜんざいに使われる小豆の赤色が、縁起が良く厄除けの効果があるためとされています。
豆まきの地域差とは?豆の種類・掛け声などの風習の違いを徹底解説【まとめ】
今回は節分の豆まきにみられる地域差についてご紹介しました。
一口に節分といっても全国的に細かく見ていくといろいろな地域差があることがわかっていただけたと思います。
大豆をまく地方、落花生をまく地方、また掛け声もさまざまで各地で追い出される鬼を不憫に思い招き入れる地方、鬼を改心させて出してやる地方などユニークな風習がおおいのは興味深いことではないでしょうか。
この記事を読んで読者の皆さんが節分に興味を持つことを期待します。