梅雨前線に記号はない!?停滞前線の基礎から紐解いてみよう!
雨ばかりが続く梅雨の時期って、いつもより空模様が気になるものですよね・・・。
梅雨がいつまで続くのだろうか?
どれぐらいの降水量なのだろうか?
このように、梅雨の時期に天気予報を見ていると、「梅雨前線」という言葉を数度となく耳にするはず!
そして、天気図などがUPされ前線らしき記号を目にするはず!
実は、「梅雨前線」に記号はないって知っていましたか?
前線とは何かという基礎知識をはじめ、梅雨前線の大元である停滞前線に着目しながら、梅雨前線の記号の有無についてまとめてみました。
中学校の勉強の復習と思っていただけると幸いです!
Contents
まずは基礎知識!前線とはどんなもの?
全国的に、降水量が大幅に増加する梅雨。
こまめに天気予報をチェックしてしまうものですよね。
この時期には、何気なくTVやスマホなどで天気図を見る機会も増えるのではないでしょうか?
天気図を見ていると様々な記号が目に留まるはず・・・。
雨の様子を知りたいのなら、前線を示す記号を把握していることがマストなんです。
さて、前線って何のことかご存じですか?
前線って、気団と呼ばれる空気の塊がぶつかった境目の部分が、さらに地面にぶつかった所を示しているんです・・・。
ちょっとややこしいですが、例えば、暖かく湿った気団と冷たく乾いた気団がぶつかった場合、2つの気団の間には境目ができますよね。
その境目の中で地面の触れている部分をピックアップした場所を前線というんですね。
前線には大きく4つの種類があります。
①温暖前線
②寒冷前線
③閉塞前線
④停滞前線
上記の前線にはそれぞれ特徴があるんですが、梅雨に関係する前線は④のみなんですよ!
梅雨前線の大元!停滞前線について知っておこう!
梅雨に関係する前線といえば、停滞前線!
前項でざっとここまでを説明しています・・・。
ただ、いまいちわからない方のために、もう少し掘り下げて前線のお話をしておきましょう。
前項で列挙してみた①〜④の前線なんですが、これらの特徴をサラッとまとめてみますね。
前線は、基本的に北の冷気と南の暖気がぶつかって生じるものなんです。
ぶつかった後の変化で、①〜④の名称が付くことになります。
例えば、気団がぶつかった後に暖気の勢力が強いものが①の温暖前線ですね。
逆に、気団がぶつかった後に冷気の勢力が強いものは、②の寒冷前線と呼ばれるようになります。
ここで話を戻して④の停滞前線ですが・・・、この前線は、気団がぶつかった後に暖気と冷気の勢力がほとんど同じものなんです!
つまり、力が一緒なのでそのまま動かずに長い期間同じ場所に留まってしまう=停滞する前線・・・というわけですね。
ちなみに、停滞前線の記号は、温暖前線と寒冷前線のそれぞれの記号を合体させた感じです。
暖気と冷気の勢力が同じである、停滞前線の特徴そのままの記号とも言えますね。
梅雨前線と停滞前線の関係は?
これまで、空模様を記号で表す天気図の基礎知識として、前線についてざっと説明してきました!
ある程度の基礎知識をご理解いただけたところで、梅雨前線と停滞前線の関連性についてお話していきましょう。
停滞前線が、暖気と冷気の勢力が同じぐらいの頃に生じる前線であることは、これまでの説明で既に把握しているはずですね。
この、「暖気と冷気の勢力が同じぐらいの頃」って、季節で表すといつに当てはまるかを考えてみて下さい。
暖気の勢力が強いのは夏、冷気の勢力が強いのは冬。
つまり、「暖気と冷気の勢力が同じぐらいの頃」は、その間にある季節の変わり目の頃ということになりますよね!
また、暖気と冷気の勢力が同等なことから、停滞前線には動かず同じ場所に長時間留まる性質があります。
この性質から、長い期間雨を降らすことになるんです。
ここでピンときた方も少なくはないでしょう!
季節の変わり目に降る長い雨=梅雨
実は、天気予報でよく耳にする「梅雨前線」とは、夏前に発生する停滞前線の代表的なものなんです!
ちなみに、冬前に発生する停滞前線は「秋雨前線」と呼ばれています。
梅雨前線という記号はないって本当?
最後になりましたが、気になる「梅雨前線」の記号についてです。
「梅雨前線」は、暖気と冷気の勢力が同等な停滞前線の中の1つでした・・・。
つまり!
天気図における「梅雨前線」を表す記号は、停滞前線の記号と全く同じなんですね!
言い換えれば、梅雨前線という記号は存在しないことになります。
停滞前線の記号は、温暖前線と寒冷前線のそれぞれの記号を合体させた感じ・・・。
温暖前線を示す上向の半円と、寒冷前線を示す下向きの三角が交互に並んだ記号・・・と表現すれば見つけることができるのではないでしょうか?
ちなみに・・・。
秋の長雨、「秋雨前線」も天気図上では同じ記号です!
日本では、天気図上で停滞前線の半円と三角が合わさった記号は、最も頻度が高い天気記号であるのかもしれませんね。
梅雨前線に記号はない!?停滞前線の基礎から紐解いてみよう!【まとめ】
梅雨の時期って、普段より天気予報が気になるもの。
この時期に天気予報を見ていると、よく耳にするのが「梅雨前線」という言葉。
どんな前線?と思う方も少なくはないと思いますが、実は停滞前線のことなんですね。
つまり、夏前にやってくる停滞前線に、「梅雨前線」という呼び名がついているだけなんです。
さらに、気になる天気図上の記号ですが、こちらも「梅雨前線」という特殊な記号が存在するわけではありません。
形状は停滞前線と全く同じ!
これまで何となく目にしていた天気図も、天気図の基礎知識が分かるとなかなか興味深いものですよね!