「衣替え」を俳句の季語や時候の挨拶で活用!どの時期に使うの?
季節の変化に合わせて気温も大きく変化するため、日本では気候にあった衣服を出し、使わないものを仕舞うといういわゆる「衣替え」が平安時代から行われています。
四季のある日本特有の風習といっても過言ではありませんよね。
実は、この「衣替え」は、その内容だけでなく、言葉としても日本特有の使い方をするんです。
その1つが季語として俳句で・・・。
もう1つが時候の挨拶時の季節を表す言葉として・・・。
この2種類の使い方についてどの季節やどの時期に使うものなのかを調べ、まとめてみました。
日本人に生まれた基礎知識として覚えておきましょうね!
Contents
「衣替え」は俳句で季語になる!
日本独自の文化、文学の代表とも言えるのが俳句です。
俳句は、小学校高学年から中学生に間で、日本人なら必ず1度は国語や古文の授業で勉強しますよね。
その際に、すでに学習して覚えているのなら問題ないのですが、普段使わないものであることから、大人になってからその内容の詳細を覚えていない、忘れてしまったという方は少なくはないでしょう。
俳句を詠むのには決められた重要なルールがあります。
1つは、5.7.5のリズムに合わせて詠むこと。
もう1つが、季語を必ず1つふくむこと。
確か、俳句の季語って無数にありましたよね・・・?
教科書に一覧になったものが載っていた記憶はないでしょうか?
そう!
この季語の1つに「衣替え」があるんです。
花火や雪、紫陽花などのパッとその季節を連想できる季語はたくさんあるんですが、さて「衣替え」はいつの季節を表す季語なんでしょうか・・・?
「衣替え」を俳句の季語で使うなら?
俳句の世界で「衣替え」というワードがどの季節の季語になるのかを考えるにあたり、まずは、一般的な生活において衣替えがだいたいいつ頃行うものであるのかを考えてみましょう。
だんだん暖かくなって冬のコート類を仕舞い薄手の服を出してくる時期と、逆にだんだん風が冷たくなって羽織るものが欲しくなった時期に厚手の服を出してくる時期に行うのが「衣替え」。
ここで、季語である「衣替え」には「後の衣替え」というワードもあるという情報も合わせると、「衣替え」は春を、「後の衣替え」が秋を表すと考えるのが一般的ではないでしょうか・・・。
しかし、日本の暦のは旧暦というものがあるんですよね・・・。
歴史の古い俳句には、旧暦の考えがそのまま残されているんです!
そこで、微妙なズレが生じるんです。
実際には、俳句の季語としての「衣替え」は夏を表すということを、ここでしっかりと覚えておきましょう!
「衣替え」は時候の挨拶にも使える!
「衣替え」というワードは、俳句の季語としてだけでなく、時候の挨拶にも使えるんです。
つまり、季節毎に送るちょっと改まった葉書や手紙といったお便りに、さっと取り入れるワードの1つですね。
例えば、お礼状や挨拶文なんかを改まって出すときに登場させるんです!
冒頭あたりにさらっと使うことで、グッとおしゃれで大人な文面になりますよ!
しかし、近年ではお便りというものを出す機会、習慣自体が簡素化され、どんどんなくなってきています。
せいぜい、年賀状を書くぐらいという方も多いはず・・・。
ただ、ビジネスにおいてのやりとりに、マナーとして活用される場面はまだまだあるようです。
相手が仕事の上司であったり取引先である場合は、時候の挨拶も大切な一文ですよね・・・。
そこで気になるのが、「衣替え」というワードはいつの時期のお便りに使うものかということです!
果たして、俳句の季語と同様に夏の時候の挨拶として使っていいものなのでしょうか?
この疑問を、次項で解決しておきましょう!
「衣替え」を時候の挨拶で使うなら?
「衣替え」というワードは、時候の挨拶としては、どの時期に使うのが正しいのでしょうか?
俳句の季語には旧暦が大きく関係していましたが、時候の挨拶として「衣替え」というワードを使用する場合は新暦が基本になります。
ただ、衣替えは各個人やご家庭ごとに行うもの・・・。
こういった背景から、はっきりと「衣替え」というワードが時候の挨拶に使用できる時期も、なんとなくあやふやですよね・・・。
そこで、公的なものの衣替えの時期を基準としてみましょう。
例えば学校や会社の制服などは、個人の希望と関係なく6月1日からと決定されているのが一般的ですよね。
地域により多少のズレはあるにしても、6月中には必ず夏服に変わっているはずです。
これがヒントですね・・・。
そうです!
「衣替え」というワードは、6月に送るお便り等の時候の挨拶としとして使うんです!
ちょっとした予備知識として、是非、覚えておきましょう。
「衣替え」を俳句の季語や時候の挨拶で活用!どの時期に使うの?【まとめ】
「衣替え」は、四季のある日本特有の言葉です。
そして、俳句の季語としても、時候の挨拶としても使用される言葉なんですね。
俳句の中では、俳句の世界が旧暦に沿ったものであることを踏まえて、夏の季語として使用することができます。
しかし、時候の挨拶としては、新暦の考え方の中において、公的な学校や会社の制服が夏服に一斉に変わる6月に使う言葉とされています。
同じ言葉でも使う場面によって微妙に活用方法が異なることを、しっかりと把握しておきましょうね!