スイセンに似ているアヤメのような花があるけれど違いは何?
日本の花と言えば何が思い浮かびますか?
桜、椿、スイセン、キキョウ、アヤメなどでしょうか。
原産国が外国であっても、今では日本の花として世間にすっかり浸透していますよね。
さて、今回取り上げるのは、スイセンとアヤメの2種類です。
厳密には、アヤメではなく同じアヤメ科のハナショウブという花の話になるのですが、このハナショウブ、黄色い花がスイセンそっくりなのです!
この黄色いハナショウブは「黄菖蒲(キショウブ)」という名前なのですが、それはもう遠くだと見分けがつかないほどスイセンに似ています。
この二つにどのような違いがあるかすごく気になりますよね。
それではさっそく解説していきましょう!
まずはそれぞれの概要から!
スイセンは、地中海原産の花で、冬の寒さに強く、12月~翌4月まで開花します。
球根で育てる多年草で、球根が生きている限り毎年花を咲かせます。
ヒガンバナ科で、球根から線状の葉が出て茎の周りに生い茂ります。
ハナショウブは、日本や一部のロシア地域を原産とした花で、アヤメ科の多年草です。
ショウブ(植物)とは漢字の表記が同じ「菖蒲」であるものの、ショウブより花が見事なことに由来して、「花」の字を頭につけたのだとか。
開花時期は6月~7月と、ちょうど梅雨の時期に開花するので、春の終わり・そして夏の訪れを知らせてくれるわけですね。
スイセンとハナショウブの違いは?
冒頭で触れた通り、黄色いスイセンとキショウブは非常に似ています。
遠くで見れば見分けがつかないものの、近くで見るとわかる明確な違いが2つあります。
ひとつは花の向きです。
スイセンが横向きにラッパのような突起を出して咲くのに対し、キショウブは上を向いて、花びらが垂れ下がるように咲きます。
もうひとつは、葉の模様の有無です。
スイセンの葉は無地で何も模様がありませんが、ハナショウブの葉は縦にスジが入っています。
違いには植物の「科・属」が関係していますので、次の段落でご説明しますね。
よく聞く〇〇科・〇〇属って?
これは植物界の種類を細かく分類していったものです。
国で例えるとわかりやすいでしょう。
世界があって、日本があって、例えば県や都が「科」にあたり、その中の〇〇市・区が「属」にあたります。
住所を書くときに、○○区の次に町名が必ずつきますよね。
あれが、〇〇属の中にある個々の花の種類にあたります。
キショウブが分類されるアヤメ科アヤメ属の特徴は、花がフリルのようにやわらかな形をしており、葉は線状をしていて上に伸びます。
一方で、スイセンはヒガンバナ科のスイセン属に分類されます。
ヒガンバナ科も、アヤメ科の植物と同じように葉が線状に伸びますが、一番の特徴として球根で育つことが挙げられます。
ここでクイズ!
皆さんよくご存知のあの野菜も、実はこのヒガンバナ科なのです!
さぁ、いったい何でしょう?
・・正解は、たまねぎです!
もともと、植物の球根は鱗茎(りんけい)といって、栄養を蓄えるとどんどん周りが分厚くなり、球根自体も大きくなるのですが、この仕組みのもとになっているのがたまねぎなのです。
特にスイセンの球根はたまねぎにそっくりなので、間違っても口にしないようにしてくださいね。
スイセンに似ているアヤメのような花があるけれど違いは何?【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
今回は、スイセンとキショウブの違い、アヤメ科の特徴などについて掘り下げて解説しました。
数多ある植物に科・そして属があって、それぞれ特徴がある・・花の世界は本当に奥が深いですね。
普段スーパーで見る野菜も、何科の何属か調べてみると面白いでしょう。
なにか意外なつながりが見つかるかもしれませんよ!
それでは、お読みいただきありがとうございました。