蛍の光が照らす名所、関西のおすすめ鑑賞スポットやイベントをご紹介
夏になるとその幻想的な光で私たちの目を楽しませてくれる蛍。
その蛍は古くから愛されており、日本史上でも「日本書紀」や、「源氏物語」、「枕草子」などを代表とし、多数の文学作品に登場します。
そしてそれらの文学作品の舞台はおよそ関西です。
関西は古代から日本史の重要な舞台で、多くの古典文学作品が生まれてきた土地です。
そんな関西には、古代から人の心を感動させてきた美しい景色や名所がたくさんあります。
それはもちろん蛍についてもそうです。

今回は、そんな美しい蛍の名所を関西にスポットをあててご紹介します。
Contents
蛍と日本の歴史
日本史上の文学において蛍はいろんなところで登場します。
蛍はそれほど日本人と関係が深い昆虫なのです。
そこで本項では蛍と日本の歴史ということで、文学作品に出てくる蛍などについてご紹介します。
日本史に初登場したのは奈良時代
蛍が日本史上に初めて登場したのは奈良時代に書かれた「日本書紀」です。
この中に、「彼地多有蛍火之光神や蛍火」という記述があります。
しかし、日本書紀上にはこのような記述があるのですが、この時代に蛍が日本にいたという証拠はないそうです。
蛍が生息していたことがはっきりわかる平安時代
今日の関西、京都に平安京という都があった時代にかかれた書物である「源氏物語」や「枕草子」には蛍が出てきて、はっきり日本にいたことがうかがえます。
「枕草子」の夏の記述にはこうあります。
「夏は夜。月のころはさらなり、蛍の多く飛びちがいたる」と。
これは奈良時代の日本書紀に比べると大分はっきりした描写になります。
つまり、このころにはすでに蛍は夏の風物詩であったのです。
庶民にも蛍が愛されていることがわかる江戸時代
江戸時代になると、浮世絵に蛍の飛ぶ情景なども描かれ、庶民と蛍が触れ合う様子が描かれています。
このように日本人は古くから、蛍と関係が深いのです。
蛍の名所、関西のおすすめスポット
さて、日本人と蛍の関係がわかったところで次は関西の蛍の名所についてご紹介します。
奈良公園(奈良県奈良市)
奈良県奈良市の奈良公園と言えば、言わずもがな有名なのは人懐こい鹿です。
ですが、この公園で有名なのは鹿だけではありません。
蛍も有名なのです。
場所は東大寺の大仏殿の裏、二月堂の裏参道の周辺で見ることができる天然のゲンジボタルのことを地元では「大仏蛍」と呼ぶそうです。
石田区の蛍(兵庫県朝来市)
兵庫県朝来市はかの有名な天空の城として有名な山城、竹田城があることで知られる場所です。
そんな自然豊かな朝来市は蛍も有名です。
この地は地元の保護活動により、蛍の群生が見られるようになった珍しい場所です。
6月の蛍の期間中には「石田区ほたる祭り」が開催されたくさんの人でにぎわいます。
種生ほたるのふる里公園(三重県伊賀市)
忍者の里として知られる三重県伊賀市。
種生地区にあるのが、ほたるのふる里公園です。
この公園と周辺では、6月たくさんのほたるの飛翔を鑑賞することができます。
関西の蛍のおすすめイベント
最後に関西の蛍の名所で行われるおすすめのイベントをご紹介します。
天の川ほたるまつり(滋賀県米原市)
滋賀県米原市長岡という地域の周辺で見られる蛍は「長岡のゲンジボタルおよびその発生地」として知られています。
そして国の天然記念物に指定されています。
この天野川の流域では毎年、蛍の時期の6月上旬事に蛍を観測することができ、「天の川ほたるまつり」が開催されます。
このお祭りでは、キッチンカーの出店や、蛍の歴史を展示したほたる館が開館されます。
蛍ナイター(京都府宇治市)
季節に合った植物で、錦絵模様をつくる、立体花壇で有名な「宇治市植物園」では、5月下旬から6月上旬にかけてゲンジボタルを観測することができる「蛍ナイター」が実施されます。
この期間は21時まで入園でき、小川の周囲を蛍が舞う様子を夏の草花と一緒に楽しむことができます。
蛍の光が照らす名所、関西のおすすめ鑑賞スポットやイベントをご紹介【まとめ】
今回は関西の蛍の名所ということで、鑑賞スポットをご紹介してきました。
日本人が愛してやまない夏の昆虫、蛍。
その蛍は前述のとおり、日本史上の多くの文学作品に登場します。
読者の皆様も、今年の夏は古典文学の舞台、関西で平安貴族が感じた風情を味わってみてはいかがでしょうか。