五月人形の毛氈の敷き方はどうする?正しい飾り方とその意味を解説
五月五日の端午の節句には、男の子がいる家庭では武者の甲冑を模した、五月人形を飾るのが一般的です。
五月人形と一口で言っても、「兜飾り」、「鎧飾り」、「武者人形」と様々なタイプが存在します。
ですが、五月人形のとして、どの場合でも必ず飾られるものがあります。
それが、兜もしくは鎧、屏風、弓太刀、緑色の毛氈です。
これらは五月人形において必須です。
今回はそんな五月人形の飾り方、毛氈の敷き方について解説します。
Contents
五月人形を飾る時に敷く毛氈とは
まずは毛氈とはなにか、という所から見ていきたいと思います。
これは羊毛などの獣毛を原料に織物風に仕上げた敷物のことを言います。
獣毛に熱、湿気、摩擦、圧力をかけて繊維をかためることによって作ります。
これはフェルトにちかく、カーペットの一種とされています。
そしてなんといっても毛氈は断熱性、保温性、クッション性に優れており、和室や茶室などの和風の建築物によく使われます。
そてし、一般的に緋毛氈と呼ばれる赤い毛氈が敷かれる場合がほとんどなのです。
なぜ五月人形には緑色の毛氈を敷くの?
五月人形を飾る時に敷く緑色の毛氈にはどのような意味があるのでしょうか。
それは毛氈の緑色はヨモギの色を示しているからです。
昔からヨモギは、毒消しの作用があるので、ヨモギの緑色というのは清浄な色と考えられていました。
端午の節句には、家の中にお供え物をして神様に来てもらいお願い事をするという神事の側面があります。
よって、神様に来てもらう神聖な場所を家の中に作るために緑色の敷物を敷くのです。
五月人形の毛氈の敷き方は?正しい飾り方
ここで改めて、五月人形の飾りとその意味についてご紹介します。
毎年飾っている五月人形にはこのような意味があります。
兜・鎧
兜や鎧の色や形状は様々です。
よって基本的にどんなものでもいいです。
しかし、戦国武将の兜はその戦国武将の縁起が悪い故事などがついている場合がありますので注意が必要です。
よって、五月人形として飾るのであれば、だれのものでもない鎧や兜の方がいいです。
これはすなわち「お子様のために作られたと」という意味になるからです。
屏風
お雛様と同じように、金屏風が一般的です。
お雛様と違うのは「四曲」という四枚立ての屏風の方が、より格式が高いものになります。
弓太刀
弓と太刀は右に刀、左に弓矢を飾ります。
毛氈
敷物は前項で解説した、緑色の毛氈です。
五月人形の下に敷きます。
これは縁起物なのと同様に一番片づけやすく、安価な敷物です。
ただし昔は毛氈ではなく「真菰」を使った敷物を使っていました。
この件については後述します。
五月人形の本来の敷物と唐櫃
五月人形に敷く敷物として昔は毛氈ではなく「真菰」で作ったござを敷いていました。
敷き方は毛氈と同じで、五月人形の下に敷きます。
しかし、真菰は現在では限られたお店しか買うことはできず、入手が簡単ではありません。
五月人形の兜や鎧を収納する箱である唐櫃は、飾り台にもなります。
唐櫃というのはもともと大切なものを保管しておくための道具です。
足がついているのは大事なものを湿気から守るための形になっています。
そのため法隆寺などに保管されている宝物も多くがこの唐櫃の中に入れられているといいます。
またこの唐櫃は飾り台としても優秀で、これの上に置くことで屏風や弓太刀、提灯などをバランスよく飾ることができます。
五月人形の毛氈の敷き方はどうする?正しい飾り方とその意味を解説【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
今回は五月人形の毛氈の敷き方ということで、そこから発展して飾り方についても解説してきました。
毎年5月に飾っている五月人形の飾りには今回述べてきたものがあります。
兜に鎧、弓太刀、屏風、敷物、このように五月人形にどのようなものを飾るのかそしてその意味が分かれば端午の節句をもっと意味のあるものにできるでしょう。