蛍は西日本と東日本では違う?発光する間隔や光り方に込められた意味
夏になるとその儚げで幻想的な光で見る人々を魅了する蛍。
そんな蛍ですがこんな不思議な生態があることをご存じでしょうか?
実は、西日本と東日本で発光の周期が違うというのです。
なぜこのような違いがあるのでしょうか?

今回は蛍の西日本と東日本ではなぜそのような違いがあるのか、蛍の光に込められた意味は何なのかについて解説します。
Contents
蛍の西日本と東日本の違い
蛍の光にはどのような特徴があるのでしょうか。
実は東日本と西日本の蛍では光り方が違うのです。
本項ではその点についてご紹介します。
さて、では一体西日本の蛍と東日本の蛍では何が違うのでしょうか。
それは発光の仕方の違いがあるといいます。
日本の蛍研究の第一人者である横須賀市博物館の大場信義先生によると、東日本のゲンジボタルの明滅の間隔は4秒、西日本と九州では2秒であると言われています。
ここでいう西日本と東日本の境目がどこにあるかというとこれはフォッサマグナが境になっているといいます。
蛍はこの東西で遺伝子が違うそうです。
ここで疑問なのはフォッサマグナの周辺の県ではどうなっているかということです。
じつは、長野や静岡、山梨の3県には発光時間が3秒の「中間型」が存在するとも言われます。
西日本と東日本の蛍の時期
次に西日本と東日本の蛍の時期について解説します。
蛍の出現は桜前線に似ている
蛍の出現は桜前線に似ています。
4月の半ばに沖縄での発生を皮切りにおよそ2か月半の時間をかけて北海道に到達します。
おおよその出現時期の目安としましては、西日本では4月中旬から5月中旬、東日本では4月下旬から5月下旬にかけて、日本で一番寒い北日本では、5月下旬から6月中旬にかけてといわれています。
各地方に蛍を見に行く際の参考にしておくといいですね。
蛍の鑑賞に適した気象条件
蛍の鑑賞に適した気象条件について解説します。
蛍は光を嫌う昆虫です。
よって蛍は曇っていて、月明りのない日、そして風が弱く、気温が20℃以上という条件が揃った日に多く姿を現すのだそうです。
また蛍は日が沈んでから、暗くなった19時半ころから徐々に姿を現し始めます。
そして、20~21時頃一回目のピークを迎えます。
そのあともう2回ほど同じ夜に蛍は舞い飛びます。
ただし、21時を過ぎると数が減ってくる傾向にあり、観賞に行くのであれば、20~21の間が一番適した時間帯なのです。
蛍を鑑賞する際の注意点
蛍を鑑賞する際の注意点についても改めて述べておきます。
蛍というのは非常に繊細な生き物で、音や光の刺激には非常に敏感です。
よって人工的な光や大きな音を出してしまうと、求愛行動や繁殖の妨げになってしまいます。
よって蛍が舞い飛ぶ場所では、懐中電灯などの明かりを消して、スマートフォンなども触らず、静かにその儚く美しい光を見守るようにしましょう。
蛍の光に込められた意味
最後に蛍はなぜ光るのか、その意味について見ていこうと思います。
実はわかっていないことも多い蛍が光る理由
実はゲンジボタルが光るのは成虫だけではありません。
卵や幼虫、蛹(さなぎ)も光ります。
これらがなぜ光るのか、その役割はわかっていないのです。
発光はコミュニケーション手段
蛍の光というのはコミュニケーション手段でもあるそうです。
卵や幼虫、蛹が発光する理由はわかりませんが、成虫が発行する意味は主にこの3つだといわれます。
一つ目は、プロポーズ(求愛)のための光り、もう一つは外界から刺激を受けた場合の光り、そして最後は敵を驚かせるための光であるといわれています。
そして、この発光に関してはパターンが重要な意味を持つといわれ、これが同じでないとうまく蛍はコミュニケーションが取れないのだそうです。
蛍という昆虫は非常に奥が深いですね。
蛍は西日本と東日本では違う?発光する間隔や光り方に込められた意味【まとめ】
今回は、蛍の西日本と東日本の違いということで、その発光間隔についてや、蛍の光に込められた意味について解説しました。
東西、または住む地域によって発光パターンが違ったり、その発光の仕方に意味を持たせる蛍は非常に興味深い昆虫であることがわかっていただけたと思います。
ぜひ今年の夏はそんな蛍の不思議を味わう旅行に出かけてみるのも面白いかもしれません。