蛍の成虫が求める餌とは?その生態と生涯について解説!
読者の皆様は蛍を飼ったりしたことはありますでしょうか。
生き物を飼育することは大変です。
その生き物が自然で生きている環境をできるだけ忠実に再現することが求められます。
蛍であれば、気温や水温、その流速、水深、そして餌など気を使わなければいけない項目は多岐にわたります。
では、実際に蛍を飼う場合を考えたときに蛍の成虫とは何を食べて生きているのか意外と知らないことも多いものです。

そこで蛍の成虫が求める餌とは何なのかということから発展して、蛍の生態について解説していこうと思います。
Contents
蛍の成虫の餌はなに?
一般的に蛍の幼虫は、きれいすぎない、そして汚すぎない水辺、そして、水温21℃程度、流速20cm/秒、水深15cmくらいで、さらに、カワニナなどの餌となる貝類が生息している環境で生育するといいます。
では成虫はいったい何を餌に生活しているのでしょうか。
本項で解説します。
結論から話しますと、実は蛍の成虫は餌として何も食べないのです。
蛍の成虫は幼虫時代に食べた「カワニナ」の栄養分だけで生きているといわれます。
つまり、蛍の成虫は幼虫時代に蓄えた栄養分を消費しきった時に寿命を迎えるのです。
そして蛍のオスはメスより体が小さく、幼虫のころに食べる「カワニナ」の量も少ないです。
また、命の限り求愛のため精一杯飛び回ります。
そのため、メスより早く蓄えた養分を消費して、寿命を迎えてしまいます。
ですが餌と言っていいのかはわかりませんが、蛍の成虫は唯一水だけを口にするそうです。
ゲンジボタルとヘイケボタルの生態
次に、日本では有名な水生の蛍であるゲンジボタルとヘイケボタルの生態についてご紹介します。
この2種類の蛍にはどのような違いがあるのでしょうか。
見ていこうと思います。
ゲンジボタル
ゲンジボタルは体長がおよそ12~18mmほどの昆虫で、背中に黒い十字模様があります。
生息場所は水が澄んだ小川や用水路など少し水流がある場所を生息地として選びます。
光り方はゆっくりと明滅し、波打って上下に飛ぶという特徴があります。
幼虫の主な餌はカワニナになります。
ヘイケボタル
ヘイケボタルは体長がおよそ7~10mmとゲンジボタルより若干小さいです。
そして背中には黒いたてすじ模様があります。
こちらは水田や湿地などあまり水流が無いところを選んで生息しています。
光り方はゲンジボタルより明滅の仕方が速いです。
そしてせわしなく上下に飛ぶのもこの蛍の特徴です。
幼虫の主な餌はモノアラガイやタニシになります。
ゲンジボタルとヘイケボタルは同じ蛍の種類ですが生態がここまで違うのです。
蛍の一生
最後にそんな蛍の一生について解説します。
蛍は大体見ごろが終わった時期、7月末くらいに産卵するといわれます。
そして、その卵は一月ほどで孵化し、その後1令、2令、3令と脱皮しながら大きくなっていきます。
その後脱皮を繰り返しながら冬を越し次の年の4月ごろ陸に上がり、さなぎになります。
さなぎになった後は一か月ほどで成虫になり、成虫になった後は、力の限り水辺を飛び回り1週間ほどで、幼虫のころに蓄えた養分を消費しきって寿命を迎えます。
蛍の成虫が求める餌とは?その生態と生涯について詳しく解説!【まとめ】
今回は蛍の成虫は餌として何を食べるかということについて解説しました。
夏というのは蛍に限らず、昆虫たちの生命が一番輝く季節です。
蝉などもそうですが、蛍もカブトムシもクワガタムシも精一杯力を使い果たして子孫を残し、秋には成虫はその姿を見ることがありません。
昆虫の魅力はそういう力強く儚いところにあるのではないでしょうか。
ぜひ昆虫を見つけたらその一生に思いを馳せながら、その営みを邪魔しないように見守るようにしたいものですね。