蛍を増やすには?減少している原因と生息条件に適した環境を解説
日本人がこよなく愛する夏の昆虫、蛍。
蛍は奈良時代の日本書紀に登場することを皮切りに、今日までさまざまな文学作品に登場してきました。
そんな、蛍ですが近年、環境変化や水質汚染の影響でその生息地とともに数も減ってきているといいます。
その昔、全国いろんなところで蛍が乱舞する様子を見ることができました。
日本ではもう多数の蛍が乱舞する様子を見ることはできないのでしょうか。

そこで今回は蛍を増やすにはどうするかということについて見ていこうと思います。
Contents
蛍が生息する環境とは
蛍の数が減ってきている原因が水質汚染および環境の変化と前述しましたが、さて、いったいどのような環境が生息に適しているのでしょうか。
本項では蛍が生息するに適した環境と、現在の問題について解説します。
蛍の生息条件に適した環境
蛍を増やすにはということを考えるために、まずは蛍が生息するに適した環境とは何かについて知る必要があります。
いったい蛍という昆虫はどのような環境で、生息、生育するのでしょうか。
結論から言うと蛍の生息に適した環境というのは、「やや富栄養な水質がよく、湧き水のようにきれいすぎても、汚すぎてもよくない」が適しているそうです。
もう少しわかりやすくいうと、水質は少し汚れていて、水温も21℃前後、流速は20cm/秒、水深15cmほどがいいということです。
現在の環境の問題点
上記で上げた蛍の生育に適した環境が減って来ているというのが現在の環境の問題点です。
具体的に言うと、住宅開発や市街地化の進行によって蛍が苦手な明るい環境が増えたことや、治水事業で河川がコンクリートで覆われたことによって蛍が生息できる環境がなくなったことが原因と言えそうです。
また近年では、豪雨災害が増えたことにより、蛍の卵やえさのカワニナが流され、次の年その場所では蛍を見ることができないなどの問題があります。
蛍を増やすにはどうする?
蛍を増やすにはそのえさとなるカワニナが同じ場所に生息していることも非常に重要です。
そこで本項では、カワニナと蛍の関係などについても解説していきます。
ゲンジボタルが生きていくために必要なカワニナの数
さて、蛍の幼虫が成虫になるまでに食べるカワニナの数はどのくらいひつようなのでしょうか?
正解は蛍一匹当たり66匹から110匹程度必要だといわれています。
つまり、安定した環境で、蛍が生育するためには、相当な数のカワニナがいないと蛍は生育できないのです。
カワニナの生息環境
一般的にカワニナは、比較的水がきれいな河川や用水路に住んでいるとされ、ゲンジボタルが住む環境と一致しています。
よって、カワニナが住みやすい水質というのは、汚すぎず、きれいすぎないほど良い環境がちょうどいいのです。
蛍を増やすには、飼育するのも一つの方法
最後に、蛍を増やすためには飼育するすることも一つの方法なので、その方法についてもご紹介します。
蛍を育てて、放流するというのも蛍の生育する環境をしって、蛍を守ることの一助になります。
ヘイケボタルの飼育方法
ヘイケボタルは、ゲンジボタルと違って、水流が無い池などで生育します。
そんなゲンジボタルを育てる方法は以下の通りです。
幼虫の時の飼育はきれいな水(かといってきれいすぎない程度)とえさのカワニナを用意します。
さなぎが羽化する水陸両方の場を作り、余計なものを入れないようにします。
卵を産む場所を作ります。
卵からかえった小さな幼虫を集める場所を作ります。
以上の注意点を守って、蛍を飼育してみることが環境を守ることにもつながります。
蛍を増やすには?減少している原因と生息条件に適した環境を解説【まとめ】
今回は蛍を増やすには、ということで蛍が生育する環境や、減少しているといわれる原因、また飼育方法などについても解説してきました。
蛍というのはとても繊細な昆虫です。
その生態は、過度の光が苦手で、水質、水温、水深、水流、そしてえさなどにも細かい条件があります。
しかし、昔の日本にはそんな蛍の生育に適した環境が数多く存在しました。
つまり蛍を増やすことというのは、広く環境を守ることにつながるのです。