蛍ってどうやって光るの?その仕組みや光り方の違いを詳しく解説
毎年初夏になると、美しい光を放ちながら乱舞する美しい昆虫それが蛍です。
蛍は日本人にとってなじみが深い昆虫でその歴史は古く、奈良時代に発行された日本書紀にはすでに記載があります。
しかし、蛍という名前はどこからきているのでしょうか?
由来は諸説あるのですが、有力なのは「ほたるのホは火、タルは垂る」というということからきているという説です。
昔の人は蛍が光を放ちながら飛ぶ様子を火を垂らしながら飛んでいる虫と言い表しました。

今回はそんな幻想的な昆虫、蛍がどうやって光るのかその仕組みなどについて解説します。
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全ての種類の蛍が光るわけではない?!
一説によると蛍というのは全世界に2200種類いて、そのうち日本には50種類が生息しているそうです。
そしてそのうちの14種類ほどが光る種類で、さらにその代表とされているのが、ゲンジボタルとヘイケボタルなのです。
よって光る蛍というのは意外と少ないことがわかります。
なぜ蛍は光るの?
蛍がどうやって光るのか知る前に蛍はなぜ光るのかについて解説します。
蛍というのはなぜ光を放ちながら飛ぶのでしょうか。
それは仲間に自分の居場所を知らせるなどのコミュニケーションのためだといわれています。
そして、肝心の蛍が何のため光っているのかというと以下の3種類の理由があるといわれます。
一つは求愛のための光。
もう一つは刺激された時の光。
最後は天敵を驚かせて、襲われないようにする光です。
蛍はどうやって光るの?
次に、蛍がどうやって光るのか見ていこうと思います。
目にも美しい蛍の光というのはどのように生み出されているのでしょうか。
蛍の発行は化学物質によるもの
結論から言うと蛍は体内の化学反応によって光っています。
蛍の体内にある「ルシフェリン」という物質が酵素と結びつくことにより光を発しています。
また「ルシフェラーゼ」という酵素がその反応を手助けしています。
ゲンジボタルが光る仕組み
ここからはゲンジボタルを例にとって説明します。
ゲンジボタルの場合は、ルシフェリンが体全体に、ルシフェラーゼが尻の部分に見える「発光器」の中に存在します。
つまり、ルシフェリンとルシフェラーゼが外界からの刺激によって発光しているのです。
蛍の光り方の違い
蛍は光り方に違いがあるといいます。
どのような違いがあるのでしょうか。
どうやって光るのかがわかりましたので次はこの点を見ていきましょう。
発光の間隔が長い東日本、短い西日本
実は蛍という昆虫は西日本と東日本ではその光り方が違うといいます。
日本の蛍研究の第一人者である、横須賀市博物館の大場信義先生によると、ゲンジボタルの明滅の感覚は、東日本では4秒、西日本では2秒間隔であるということがわかっています。
同じ蛍でも日本の東西で光り方が違いうのは大変不思議です。
しかし、なぜ東西のゲンジボタルで明滅する間隔が違うのかということについては、蛍の生態がゲノム解析などでわかっていてきても、いまだわかっていません。
オスとメスでは光り方に違いがある
一般的に飛び歩いて私たちの目を楽しませるのはオスの蛍です。
メスの蛍は草や木の陰にとまって、小さな光を出しているといわれます。
蛍ってどうやって光るの?その仕組みや光り方の違いを詳しく解説【まとめ】
今回は、蛍がどうやって光るのかということについて解説してきました。
いかがでしたでしょうか。
毎年初夏になると幻想的な光を放ちながら飛ぶ蛍。
どうして光るのかそれは体内で複雑な化学反応が起こることによるものでした。
しかし、蛍に関してはわかっていないこともあり、東日本と西日本で明滅の間隔が違うなどの謎も残されています。
もしかしたら、そんな、いまだにわからないことが存在するというミステリアスさも蛍の魅力なのかもしれません。